ランニングスピードを決めるピッチとストライド
ランニングスピードはピッチ×ストライド
サニエスリンク代表の植松です。
今日、7月17日、駒沢公園での練習会にて、ストライドを維持してピッチを高めるためのワークを行いました。
そこでこのコラムにも書き残そうと思います。
皆さんご存じでしょうか。ランニングペース又はマラソンゴールタイムは、ピッチ×ストライドで決まります。
※ピッチ:一分間で何回足を着くか
※ストライド:一歩の歩幅
考えたことのなかったことも、言われてみればそうだろうと納得すると思います。
マラソンのゴールタイムはつまり、ピッチが早ければ早いほどよく、ストライドが長ければ長いほどいいとなります。
しかしやってみれば分かりますが、ピッチを早めすぎるとやたらちょこまかと詰まるような走りになるし、あまり遅すぎても、一回ジャンプしているような感覚に陥ります。
つまり適正があるのです。個人差もあれば、その人のペースによっても上下します。ジョグの方がピッチが遅いし、インターバル走のように速いペースで走るならピッチは早くなります。
一般市民ランナーの方ですと、150~160前後が多く、走力が高い方は170~180くらい、超一流アスリートになると200くらいになってくることが多いです。
そのため、「次なる速度、レベルにチャレンジしよう」として、仮にこのピッチかストライドを高めるとしましょう。
その場合、やり方のコツがあるのです。
ピッチを高めるときの方法と注意点
ペースによってもピッチは変わると言いました。
なので仮に、ジョグでピッチを上げるとします。するとジョグでのピッチが仮に150だったとしましょう。
ここで、この「150」という数字をどう確かめたかというと、、ガーミンなど、GPS機能などを搭載している時計を使うのではなく、スマホアプリなどで無料ダウンロードできるメトロノームです。
ガーミンの場合、多くは後で確かめると思います。
けど大事なのは今のピッチが正確にわかり、それをその場で+5回にすることです。
148とか、149とか、中途半場な数字かもしれません。それに+5回するのです。
150に+5回すると155回なので、155回というリズムを、メトロノームアプリに入れ、リズムを打ってもらいます。
そのリズムに、今度は自分が合わせるのです。
これをやることで、「いつもより早いリズム」が身体に入ります。
ジョグのときは150だったけど、ペース走にすると158かもしれません。そうしたらペース走をするときに、163のリズムを聞いてみてそれに合わせるのです。
+5とはいえ、合わせようとするとついついストライドを狭くしてしまうかもしれません。
その辺は、マーカー走など入れるといいのですが、練習会などの環境でない限り、わざわざ道具を使うのも大変です。
なのでランニング中は、なんとなくでいいのでストライドを保ってください。
ピッチ+5、ストライドキープ、となると今までより速いので、ずっとではなくて大丈夫です。
この200mだけそのリズムで走ってみようとか、練習していくのです。
早いピッチでずっと走るのではなく、「早いピッチに慣れておく」が大事です。
いざペースを上げれば、基本的には勝手にピッチが上がります。けどそれをコントロールできないといけませんし、
ピッチはこれ以上上がらないと思い込んで押さえつけてもいけないからです。
注意点として、
・ピッチは一度に大きく上げすぎない。+5までが目安
・ピッチを上げてもストライドが著しく落ちないように、ストライドはキープするつもりで
を守りましょう。
ストライドを高めるときのコツと注意点
ピッチとややもすると逆の関係になりそうなストライド。
ストライドを伸ばそうとしたとき、今度はピッチが遅くなり過ぎないように。ピッチのときにお伝えしたことと同じですね。
ここで語っているのは、「ピッチ走法」にしましょうとか、「ストライド走法」にしましょうとか、そういうものではありません。
ピッチとストライドの関係性を無理なくどちらも少しずつ引き上げていきましょうと言う話です。
ストライドも、特別な理由がなければ基本的にはペースを上げていくと長くなります。
このストライドは、体格、慎重によって左右されるので、あまり人と比べないように。
ストライドを上げる場合ですが、「筋力」や「可動域」という条件が伴います。
ピッチを上げるのに比べてこれらが必要になってきます。自分は「筋力」「柔軟性」どちらに課題があるか?
気になる方はプロに見てもらいましょう。もちろんリンクフィットネスでも聞いていただければお答えします。
筋力や可動域は一足飛びに上がらないため、反復して高めておく必要があります。
普段ジョグで一定ペースでしか走らないという方は、筋力も可動域も養いづらいため、よければジョグの最後に、スプリント走を3~5本入れて、短い区間でもいいのでストライドを広げて走ることを週の中に1回、2回入れておくとよいでしょう。
ストライドを広げるときは、ピッチを高めるときと違って筋肉の負荷が高まりやすいです。
なのでストライドを広げるときこそ、区間は短くてOKです。故障しないようにセーブしながらやりましょう。
本格的に狙って改善する場合は、よく陸上選手はマーク走というのをやります。
今日駒沢でもやってきました。
自分の出したい歩幅にマーカーを置いて、その距離とストライドが合致するように走るんですね。
ジャンプみたいな走りになるのはやりすぎです。
※長距離選手で、バウンディングを取り入れてすぐにシンスプリントになってしまう人を多くみてきています。
前述のピッチが保てる範囲での、ストライドを広げる練習を心掛けましょう。
具体的なお勧めの方法としては、駒沢公園なんかはそうなんですが、100mごとの距離表示がある場所で、歩数を数えます。
一番分かりやすく、100mで100歩だとしたら、99歩で今度は走れるか試すといったやり方です。これは、どんどん一気に上げていくものではありません。その日に、1~2歩少なくする心がけをして、また後日、歩数をカウントしてみて、98歩だった。でも以前の100歩くらいの感覚で98歩でいけてるなという感覚があったら、次97歩でやってみる。という感じです。
98歩でいったとしても、「努力感のある、無理に広げている感のある98歩」であれば、さらに97歩と少なくしていくのは時期尚早です。
焦らず、少しずつ取り組んでいきましょう。